ぼくのエピソード

 

ちゃんネットワーク 第69号 2005-1学期号

日見小学校を卒業し日見中学校へ入学してから,3ヶ月が過ぎました。
環境が著しく変化した事や成長期の真っ只中という事もあり,
てんかんの発作が多くなりましたが,なんとか楽しく通学しています。
大ちゃん自身の変化も大きいですが,大ちゃんママの1日の流れも大きく変わったように思います。
その一番の原因は,みーちゃんの高校進学によるお弁当作りのための早起きかな?


4月 日見中学校入学

今年は桜の開花が遅かったので,入学式にあわせたように満開でした。
卒業式はどしゃ降りの雨の中でしたが,入学式はとても春らしく暖かい気持ちの良い日でした。
新しい制服に身を包む我が子を見守る親たちは,誰も幸せそうでした。
もちろん大ちゃんもちょっと大きめの制服ですが,みんなといっしょに入学式に参加しました。
小学校に入学する時と比べると,私たち夫婦は気持ち的に余裕がありました。
小学校6年間の経験が,大きな自信となっているからです。


1年4組としてスタート

 中学校へ進学するにあたり心配だったのは,
 教科担任である事・教室の移動が多い事・時間に追われる事・先生の人数に余裕がない事などです。
 中学校は3学年という事に加えてクラス数も減ってきており,現在7クラスです。
 (3年生2クラス・2年生2クラス・1年生3クラス)
 クラス数で先生の人数が決まるので,決して余裕のある人数とはいえません。
去年の12月に市の教育委員会の方と話しをした時に,小学校のように補助の先生を入れる事はほとんど無理ということでした。
どうにかして人を確保したいという私たち親と教育委員会の方の出した結論は,特殊学級を作るということでした。
県の教育委員会の許可もおり,
隣の学校の教室を見学に行ったり,
教育委員会の方と施設面での相談をしたりと着々と進んでいきました。
4月7日の入学式には,まだ完全に要望通りに教室はできあがっていませんでしたが,なんとかスタートする事ができました。
ゼロからのスタートなのでわからない事が多いですが,
生活していく中で気付いた事や要望は,先生と相談しながらその都度解決していけたらと思います。


1年4組日記より 家庭訪問(4/25)

 日頃の家での様子や学校での様子、また家庭と学校での共通理解しておくべき事など話し合う事ができて有意義であった。
3年後は養護学校の高等部へ進学を希望されているようである。
27日(水)校長と2人で鶴南養護学校を訪問してきた。
今後,大ちゃんの3年後の養護学校進学に向けて
これからどういう力をつけていったらよいのか,
どんな指導をしたら一番大ちゃんのためになるのかを
アドバイスもいただきながら考えていきたいと思う。

校長先生と担任の先生のフットワークの早さに,ただただ感心して感謝する私でした。


大ちゃん農園

4月には畑作りの準備のため花壇を耕したり草を取ったりしました。
大ちゃんは全くやる気がなく,手が汚れるのをいやがったり,軍手をさせるとそれについた草を気にしたり,
いつのまにか靴を履き替え教室に戻ったりしていました。
/2(月)トマト・キュウリ・プチトマトの苗を植えました。
大ちゃんは手に土がつくのが嫌のようで,苗を2本植えるのがやっとでした。
でもその後で,朝顔の種をプランターに蒔くときは積極的にできました。



発作と治療と眠気と体温調節

4月はわりと元気に過ごしました。
 新しい環境でどうなるかと心配していましたが,この調子だと楽しく通えるみたいと安心しました。

ゴールデンウィークを過ぎたあたりから発作の間隔が近くなり始めましたが,
 今までの発作とそう変わりなく,発作のあとに眠るとその後は大丈夫でした。

  
5
17日朝から2分くらいの発作があり,3時間ほど教室で眠りました。
目覚めたあともボーとしていて調子が良くありません。
急遽,病院に電話して診てもらうことにしました。

学校に迎えに行くと,ニコニコ笑顔ではありますが,足の力が抜けるような発作が始まりました。
30秒おきくらいにカクンと跪くように力が抜けて,支えがないと自力で歩くのは無理でした。
 家について着替えて車に乗るときも,自力では無理でした。


 病院でも私
1人で支えるのは無理だったので,妹夫婦に付き添ってもらい車椅子を借りました。
 車椅子での移動は,私も大ちゃんにとってもすごく楽でした。
 血中濃度の採血をして,脳波の検査を受けて,診察してもらいました。
 脳波の結果は,これじゃ発作になるだろうなというような過去最悪の波形でした。

てんかんの治療法の中にケトン食療法というものがあります。糖質を減らして脂質を中心とした食事療法です。
 大ちゃんの発作の形に効くかもしれないというのですが,今の年齢の大ちゃんにはかなり難しいです。
 糖質を減らすということは,大好きなお米が食べられないということです。
 どんどん身長が伸びている今,食べたい気持ちを押さえるのは無理です。私も自信がありません。


 そこで,ケトン食療法とまったく同じ作用とはいきませんが近い作用をするお薬を試すことになりました。
発作は相変わらずあったりなかったりですが,発作を避けるかのように眠ることが多くなりました。
 薬の副作用のためと思われます。

 朝学校に行って9時前後から突然眠り始めて1時間から長いときは給食の前まで。
 時には揺り起こしても全く反応がなく熟睡状態です。
 5月の後半から6月は学校生活の半分は眠っていたかもしれません。


 眠気のほかに体温調節ができにくいという副作用があります。
 もともと体温調節は下手でしたが,熱がこもってますます気温とともに体温も上昇します。
校長室から扇風機を貸してもらったり,教育委員会へエアコン設置の要望を出していただいたりしました。
結果,6月の中ごろ中古ですがエアコンが4組につきました。とてもありがたいことでした。

 7月に入って少しずつ眠らない日が出てきました。
 学校に行っている間携帯電話が鳴るとドキッとしますが,
放課後迎えに行ったとき元気な姿と笑顔を見るとほっとします。
心配もたくさんありましたが,校長先生や担任の先生をはじめ,
 たくさんの先生と交流学級の子供たちに支えられ1学期を乗り切ることができました


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